映画『キャッチミーイフユ―キャン』は犯罪映画の楽しみはもちろんありますが、スティーヴン・スピルバーグ監督の家族観や人間観も感じられるヒューマンドラマでも楽しめる作品です。
あらすじ感想でネタバレになりますので、映画を観てからお読みください。
映画『キャッチミーイフユ―キャン』あらすじ
| 公開年 | 2002年 |
| 監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
| フランク役 | レオナルド・ディカプリオ |
| カール役 | トム・ハンクス |
| 原作 | フランク・W・アバグネイル・ジュニアの同名回想録 |
主人公フランク(デカプリオ)は、当時16歳だった。
彼が好きな父親は実業家でしたが金回りはよくありませんでしたが、人の心をつかむのが上手な人でした。
服装を整え、笑顔をたやさず、相手の目を見る。
それだけで人々は父親を信用してしまう。
しかし、父親には税金の問題があり、生活も少しずつ苦しくなっていきます。
そして、両親は離婚することになりました。
フランクには、その現実を受け入れられなかった。
彼は家を出ます。
最初、フランクは金がないので、どうやって金を手に入れるかを考えた彼は、小切手を偽造することを思いつきます。
銀行の仕組みを調べ、どのようにすれば偽の小切手を換金できるのかを考えていきます。
偽造の腕を上げていくと同時に、父親から学んだ「人から信用されること」も重視します。
当時パイロットの社会的信用の高さを悪用して、制服を着て堂々として人々に本物のパイロットだと思い込ませました。
空港では、だれも彼を疑いません。ホテルにも泊まり航空会社のパイロットとしてふるまいながら、小切手を使って金を手に入れていきます。
フランクは自由を手に入れたと感じていましたが、当然悪行はばれます。
彼を追いかける男FBI捜査官カール(トム・ハンクス)の登場です。
カールはフランクの行方を追い、少しずつ彼との距離を縮めていきます。
しかし、フランクは名前を変え、服装を変え、仕事まで変えて逃げ続けます。
カールはフランクを追い詰めますが、目の前でやすやすとだまされて取り逃がしてしまいます。
本当の詐欺師は人をダマすのではなく疑わせない達人だと思います。
フランクは、次に狙う職業は医者です。
彼が重視するのは人々から信用されている職業、それも誰でも服装で分かる。
白衣を着れば、人々は彼を医者として扱います。医学に詳しくなくても、テレビなどで覚えた言葉を使うことで、医者らしく振舞っていきます。
そして、病院の看護師ブレンダと出会い、彼女に惹かれていきます。
フランクは、彼女と出会ったことで、普通の生活を送りたいと思うようになります。
家を持ち、暖かい家庭で、自分のことを待っていてくれる人がいる生活。
本気でフランクは、ブレンダと結婚しようとして彼女の両親に挨拶に行き、彼女の父親の職業の弁護士の元で、今度は弁護士として生きようとします。
フランクの偽りの生活は続かずカールに追い詰められ、海外に逃亡します。
しかし、年月が過ぎてもカールの執念でついにフランスで捕まります。
フランクは、アメリカの刑務所に入れられますが、彼は獄中で偽小切手の見極めを依頼されます。
FBI捜査官カールは、偽小切手の捜査担当ですが、偽小切手かそうでないかの見分けがつかない案件が増え頭を抱えているときに閃いたことがフランクの才能でした。
フランクは、偽造された小切手を見れば、すぐに偽物だと見抜けました。
彼の才能が認められて初めて、犯罪側ではなく、捜査側の仕事に活かされます。
彼に必要だったのは、偽りの別人として認めてもらうことではなく、本来の自分自身として生きる事に気付くことだった。
この映画は、犯罪を重ねながら逃げる少年と、彼を追い続けるFBI捜査官の物語です。
同時にスティーヴン・スピルバーグ監督の家族観、人間観も感じられる作品です。
映画『キャッチミーイフユ―キャン』感想
この映画を観終わって最初に感じたのは、フランクの行動は犯罪なんですが彼からすると単なるズルやイタズラのような軽さに感じられてしまうことだ。
だから、後半カールとの鬼ごっこになったときにフランクのイタズラのステージが上がって嬉しそうに見えた。
そんな彼の生き方の軽さは、世の中舐め腐って「どうせ」というあきらめや誰もかまってくれない感から来ていると思う。
悪戯をして注目を集めたいのと同時に堂々として、叱られない妙なメンタルを持ち合わせている。
彼は人をダマすのではなく信じこませることができた。
それをやってしまうところがヤバい奴なんです。
私も、パイロットの服装や態度、医者や弁護士らしさを自然にされると疑わないと思う。
また笑えるのは、その職業になりきるために参考にするのが、現実のパイロットや医者を観察しているのではなく、テレビドラマからネタを仕入れている所がおちょくってる。
これを観ている私もバカにされているようで不快を味わうほどでしたが、ネタではないですが、「まんま」なのに面白い。
最初のうちは、犯罪というイタズラが上手くいって金も手に入れて自由に見えますが、言葉遊びのようですが、フランクは逃げているのではなく何かを追いかけている。
彼が犯罪を犯す前の家族の雰囲気は父との関係がとてもよく、好きだからこそ両親の離婚はとてもショックだった。
他の家族のドラマでは家族全体がまた元通りになって欲しいというストーリーが多いが、本作は、主人公フランクの大好きな父が母を取り戻して欲しいというところは面白い。
一方、捜査官カールは最初は捕まえることが仕事という感じだったが、目の前でフランクを取り逃がしてからは二人の関係が変わった。
もちろん、捜査に手心を加えるとかではなく単なる犯罪者ではなく一人の人間を扱うようになる。
カールがフランクを追い詰めて身分証の入ったパスケースを受け取ってまんまと騙され、中身を確認して入っているカードが学生の持ちモノのようだと分ったときのカールの表情が子どもに騙された親のように見えた。
カールもこの失態以前は大人の知能犯と思っていたようだが、これ以後は非行少年を追いかける温情すら感じられた。
脚色とはいえ、犯人が直接捜査官にクリスマスの夜に電話してくるシーンは印象に残りました。
フランクもカールもクリスマス・イブに一人でいる者同士です。
どうしてフランクは逃亡先からカールに電話をしたのか考えると、単に寂しかった. そしていつまでも忘れないで追いかけて欲しいというアピールだと。
子どもの頃かくれんぼをしていてうまく隠れたと思っているとほかの友だちが帰ってしまい寂しい思いに近いのではないか?
そのため巧妙にヒントを与えて追いかけて欲しい。
フランクが逮捕された後も単に悪を懲らしめるというのではなく、カールは自分と共通するものを感じていたのかもしれない。
逮捕されるまでは、小切手の偽造する側とそれを見破る側に分かれていたが、小切手に関わってきたことには親近感を感じても不思議ではない。
フランクは逮捕後、偽造のスペシャリストとして捜査側の仕事を得るのはほっこりした。
よく知能犯を表して、その才能を人のために使えれば食べていける、と言われるがまさにそうだ。
才能あるフランクの家族が平穏だったら、犯行に至らなかったかもしれない。
この映画を深堀していくと、人の居場所や人に認められるとはなんだ、テーマなんだと思う。
エピソードを追えば「偽造の天才の詐欺師とFBI捜査官の物語」ですが、すべてのスタートは、
家族を失い、家を失い、普通の生活から離れてしまった少年が追いかけていたのは当初はお金
や自由かも知れないが、最終的に求めていたのは、自分の居場所や自分を必要としてくれる人だったのかも知れません。
映画『キャッチミーイフユ―キャン』のイメージは軽いものかと思っていましたが、振り返るとやっぱり家族やこころの深い所も刺激してくる作品でした。
映画『キャッチミーイフユ―キャン』はどこまでが実話か?
映画の冒頭でこれは実話ですとキャプションが出ますが、はっきり言ってドキュメンタリーではありません。
原作はフランク本人の回想録をもとに制作されているので「虚実ないまぜ」の印象があります。
事実で確認されていること
フランク・アバグネイルは実在しました。
小切手詐欺
海外を含め詐欺行為
フランスで逮捕された
アメリカの刑務所に入った
フランク本人が主張しているが疑問があること
パイロットになりすました
医者になりすました
弁護士になりすました
FBIとの関係は映画上の創作
映画『キャッチミーイフユ―キャン』は実話ゆえに面白いわけではないと思います。
たとえ日常の些細なことでも話し上手の手にかかると面白い話になる。
実話で驚くことはあってもそれだけで面白いわけではない.本作は虚実を行き来しているのが面白い。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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