『スタンドバイミー』は、1959年、オレゴン州の小さな町の4人少年が、死体探しの冒険旅を通
じて友情と成長、そして少年時代の終わりを経験する物語です。
原作は、アメリカのミステリー作家スティーヴン・キングなのでひねりの効いた成長物語です。
とはいえ冒険物としても十分楽しめ、道中の自然や汽車によるスリルなど、娯楽性も高く見ごた
えあります。
さらに、名作にも数えられていますので、その理由や、キャストをはじめ、あらすじなど、この
作品を楽しめるように情報をまとめてあります。
『スタンドバイミー』あらすじ
原題 Stand by Me
公開 1986年 アメリカ
監督 ロブ・ライナー
原作 スティーヴン・キング 『The body』
舞台設定 1959年オレゴン州キャッスルロック
物語は、大人となった主人公ゴーディが、少年時代のかけがえのない夏を回想する形で始まります。
1959年、オレゴン州の小さな町で暮らす12歳の少年ゴーディは、親友クリス、テディ、バーン
といつものように過ごしていました。
ある日彼らは、地元で行方不明になっていたレイ・ブラウワーの遺体が森の奥にあるらしいとい
う噂をバーンから聞きます。
4人は、その遺体を見つければ有名になれると考え、旅に出ますが、その道中で彼らは恐怖や葛
藤、友情に深く向き合うことになります。
噂になった目的地に着くまで線路に沿っての道中です。
道中、森や川を渡り、汽車を避けるなどハプニングが起こりますが、歩きながらの会話で互いの
悩みがより明らかになり、彼らが自らを見つめ少しづつ変わっていきます。
作中の彼らの内面をより感じるために役柄やキャストについてまとめました。
『スタンドバイミー』映画キャスト解説
ゴーディ・ラチャンス ウィル・ウィートン 感受性豊かな主人公
クリス・チェンバーズ リヴァー・フェニックス 聡明で仲間思いの親友
テディ・デュシャン コリー・フェルドマン 衝動的で荒々しい少年
バーン・テシオ ジェリー・オコンネル おしゃべりで愛嬌のある少年
作家 リチャード・ドレイファス
ゴーディ役ウィル・ウィートンの役柄
ゴーディは兄でデニーの死によって家庭内での居場所がなく、親から愛されておらず孤独感を抱
えています。
その一方で、物語を作る才能や想像力に長けていて、道中を通じて少しずつ自分の価値に気づき
始めます。
ウィートンの演技は、控えめですが視線や間の使い方が上手く、語らないシーンでは彼の抱えて
いる背景や自身のなさを感じさせてくれます。
クリス役リヴァー・フェニックスの存在感
クリスは、町では問題児のように見られていますが、実際には誰よりも思慮深く、ゴーディの才
能を信じて、背中を押す優しさを持っています。
具体的なシーンで、ゴーディが家族から見捨てられているとクリスに話し、クリスが返した言葉が、
「子どもは、そばで見てくれる誰かがいなければ、すべてを失ってしまう。親がそれをできない
なら、俺がやるべきかもしれない」
このゴーディを励ます言葉が、クリスの友達思いの誠実さを物語っています。
リヴァー・フェニックスは、クリスの強がりの奥にある傷つきやすさと誠実さの気持ちを演じら
れる役者です。
テディ役コリー・フェルドマンとバーン役ジェリー・オコンネルの魅力
テディは、危うさとエネルギーを併せ持ち、父親との過酷な過去を抱え、乱暴で突飛な言動が目
立つ一方、心に深い傷を抱えた少年です。
フェルドマンは、その不安定さをリアルに表現し、物語に緊張感を与えています。
バーンは、臆病で食いしん坊な面もありますが、4人のバランスをとる大切な存在です。
この役柄をジェリー・オコンネルは、コミカルで親しみやすさを生み出しています。
このテディとバーンがいることで、映画は重くなりすぎず、少年たちの集団としてのリアリティ
豊かになっています。
『スタンドバイミー』はなぜ名作なのか
名作とよばれる理由は、少年たちのひと夏の冒険を通して、子どもから大人への節目の悩みや感
情を押しつけがましくなく描いているからです。
単に友情の喜びだけでなく、家庭の問題、地域社会からの偏見、死ぬとは、将来の不安など、重
いテーマが物語に沿って自然に織り込まれています。
たとえば、それぞれ家庭や学校、地域社会の中で生きづらさを抱えており、そのモヤモヤをうま
く言葉にできません。
しかし、仲間と一緒にいる時間だけは自分らしくいられるという感覚は、多くの人が少なからず
経験したことがあるものです。
さらに切ないことに、子ども時代の約束や友情が永遠でないこと、年齢を重ねるとともに何かを
失っていくことも、この映画は静かに描いているからです。
『スタンドバイミー原作を含めての感想
この物語の原作は、スティーヴン・キングの『Body』ですが、直訳だと死体ということで何でこ
れが『スタンドバイミー』なのかと違和感がありました。
冒険のきっかけが死体探しというところに原作者の意図が感じられました。
原作は未知に対しての恐怖を感じさせる、ちょっとざわざわした感じです。
映画は不気味さはソフトにしていますが、少年向けの一般的な冒険物語ではなく、主人公の成長
物語です。
物語で象徴的に線路に沿って自然の中を進んでいくと次第に4人の心が開き、考えることや話す
内容は内面に向かうのは、洋の東西は関係ないようですね。
4人は普段は楽しい事だけ考えて、嫌なことを極力考えないようにしていますが、不思議と厳し
い環境に直面すると自分に向きあわざるを得ない。それが成長のきっかけです。
彼らの中の何かが変わったと思えるのは、町に戻ってきたとき町が小さく感じられる、これは私
も実感し、体験が人の意識を変えるのは納得できます。
町に戻って仲間と別れていくシーンが、子ども時代が終わっていくのとだぶって切ないです。
自分には、劇的なきっかけはなかったですが、この切なさに共感できることが人並みにうれしいです。
『スタンドバイミー』を観て、感情が刺激されるということは、少年時代の記憶がどこかしまってあるんですね。
まとめ
皆さんからは、そんなの知ってるよと言われそうですが、最後に小ネタをどうぞ。
ご笑納ください。
映画監督のロブ・ライナーが演出で原作者の意図を忠実に再現しているシーンをふたつ紹介して
終わりにいたします。
まず、オープニングは回想シーンから始まり、ナレーションは大人になった主人公のゴーディで
すが、エンディングロールのクレジットのリチャード・ドレイファスは作家となっている。
最後に町に戻って、仲間と別れていくシーンで、親友クリスだけは他と違う。
みんなが知っていることを書いて終わりにします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
