映画『マネーボール』2011年公開 アメリカ
ブラッド・ピット主演×『ソーシャル・ネットワーク』脚本のアーロン・ソーキン
メジャーリーグ・ベースボール アスレチックス球団を舞台にマネーボール理論で金満球団に挑む弱小球団のヒューマンドラマ。
ベースボールが全面に出ていますが、スポーツもののステレオタイプの気分高揚するだけのストーリーではありません。
主人公ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)と二人三脚を組むピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)が感情と理論、カラダとアタマ一つになって今までの常識に挑戦して頂上を目指す作品です。
さらに、普段観ているスポーツの裏側が見られます。
登場している人物が関わっているポジションによって、人間的だなと感じるところと、あまりに非人間的でよく言えばドライな両極端な世界。
その世界でのドラマは見ごたえあります。
映画 マネーボール あらすじと見どころ
主人公ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、高校から将来有望選手としてニューヨーク・メッツに入団した。
短気の性格が災いして結果が出せず5年で退団し、スタッフに転身しスカウトを経験した。
その後、メジャーリーグ球団オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャーとなったビリー・ビーンは、相変わらず、腹が立てば人やモノに当たり散らす短気なため、自分のチームの試合も観ない風変わりな男。
あるとき、ビリーは、イエール大学経済学部卒のピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)と出会い、ピーターが主張する統計データ重視の野球理論に惚れ込みます。
ビリーは貧乏球団が金満球団に勝つために、悩みの渦のなか突破口を見出し、それに賭ける。
しかし、当然周りから統計理論の考えに理解はえられず、ビリーとピーターだけだ。
周囲の反対を押し切って、後に「マネーボール理論」と呼ばれる戦略を実践していく。
当初は理論が活きず成績にもつながらず馬鹿にされるが、ビリーの熱い信念と、挑戦することへの勇気が、誰も予想することの出来なかった奇跡を起こす!!
ストーリーは、ベースボールのシーンを中心に主人公ビーンだけでなく様々な人間模様が描かれています。
短気なビーンですが娘に対する優しい気持ちは、父親らしさを感じます。
メジャーリーガーの日常的にクビやトレードなどの心理状態も描かれているのでつらいけれど興味深い。
映画マネーボールで初めて知ったこと
みなさんは、そんなの知らなかったと、笑われるかもしれません。
野球は主役はもちろん選手ですが、選手のパフォーマンスだけで決まるわけではない。
選手のパフォーマンスが良くても、球団や監督のゲームの考え方で必要・不必要が生まれる。
オーナー、ゼネラルマネージャー、監督、選手それぞれの利害で動いている。
カードゲームをやっている感覚です。
そんなシーンがたくさんあります、そりゃ貰うものもらうのに遠慮はないですね。
ちょっと、気にしてみるとまた楽しめます。
映画マネーボールの主なキャストや監督をふかぼり!
ビリー・ビーン:ブラッド・ピット
ピーター・ブランド:ジョナ・ヒル
監督:ベネット・ミラー
製作:マイケル・デ・ルカ、レイチェル・ホロヴィッツ、ブラッド・ピット
原作:マイケル・ルイス
脚色:スティーブン・ザイリアン、アーロン・ソーキン
主役のブラッド・ピットは俳優として紹介の必要はないかもしれませんね。
俳優としてだけでなくプロデューサーとしても評価が高いです。
2001年映画製作会社「プランBエンターテインメント」設立
2006年 『ディパーテッド』 14年『それでも夜は明ける』 16年『ムーンライト』
でアカデミー賞作品賞を受賞している辣腕なんです。
相方のピーター・ブランド役のジョナ・ヒル
1983年12月20日生まれ アメリカ/ロサンゼルス
ジャド・アパトー監督作「40歳の童貞男」(05)などで売れっ子のコメディー俳優になる。
意外なところではレオナルド・ディカプリオ主演『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。
ほかにもアニメの声優や脚本でも活躍しています。
ちなみに、ジョナ・ヒルは『マネーボール』撮影時は太っちょだったが『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』のときはダイエットに成功しているので、気づかないかもしれません。
もう一人、劇中登場の選手は、マイナーリーグなどでの野球経験者を起用していますが、一塁手スコット・ハッテバーグを演じたクリス・プラットは、唯一人野球経験のない俳優でした。でも、この映画でかなり野球の腕は上がったようです。
ちなみに『ジュラシック・ワールド』でブレークする前です。
監督:ベネット・ミラー
1966年12月30日 ニューヨークでユダヤ系アメリカ人として生まれた。
ドキュメンタリーで認められたベネット・ミラーの演出は、抑制的で観察者視点を重視します。
対話中心のシーンと選手の試合シーンを交互に配置し、理論的議論と感情的瞬間のバランスを取っています。
撮影はナチュラルな色調を用い、物語のリアリズムを保つ方向です。
代表作は『カポーティ』『フォックスキャッチャー』などがあります。
脚本:アーロン・ソーキン
実話をベースとした会話劇、法廷劇を得意としていて、主な脚本作品は
『アメリカン・プレジデント』『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
『ソーシャル・ネットワーク』『スティーブ・ジョブズ』など
『マネーボール』は『ソーシャル・ネットワーク』の翌年に公開されました。
ちなみに『ソーシャル・ネットワーク』はアカデミー賞脚色賞を受賞しています。
映画マネーボールはどこまで実話なの?
主人公ビリー・ビーンは、アスレチックスのゼネラルマネージャーとして活躍し2001年2002年プレーオフ進出の立役者です。
映画のクライマックスの20連勝を達成した試合展開は、事実に沿っていますが、随所に差し込まれる映像は若干の脚色がされています。
また、ビリー・ビーンは実在の人物ですが、家族環境などはストーリーを盛り立てるための簡略化やドラマティックに書き換えもされています。
映画作品によって様々ですが、原作がある場合は映画と原作のイメージがピッタリということはまずないと思います。
制作側が原作から得られたものをメディアを変えて表現しているので、派生した別作品になることが多いし、それも面白いです。
最後に、原作『マネーボール』の中心の野球理論「セイバーメトリクス」についてザックリと説明します。
セイバーメトリクスは統計学的手法を用いて選手の貢献度を定量化する考え方です。
従来の打率や打点に加え、出塁率、長打率、OPS、WARなど多様な指標で選手の総合価値を評価します。
目的は直感や偏見に頼らず、数値で勝利に直結する要素を特定することです。
これにより低コストで効率的に勝てる選手を見つけることが可能となります。
この理論をざっくり言うと勝利のためには、出塁することを第一にすること、そのために出塁率がよくて、コストパフォーマンスがいいプレーヤーを集める。
統計学のための映画ではないので、これから先を知りたい方は原作をご一読お願いします。
追伸
映画『マネーボール』は、スポーツを題材にしていますが、従来の「プレーする選手」ではなく、「勝てる仕組みを作る人」に注目したスポーツ映画として、他作品とは違う魅力があります。
野球のスタンドから見えない知識が増えた後に観なおすと、新しい発見がある作品です。
